インタビュー:マシュー・ジョンソン

食べ物、人、テクノロジー、東京はインスピレーションを与えてくれる

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インタビュー:マシュー・ジョンソン

常に精力的な活動を展開しているテクノ界の国際的なスター、マシュー・ジョンソン。過去10年間に渡り、カッティング・エッジな作品をコンスタントに発表し続けてきた彼は、エレクトロニック・ミュージックにおける最も革新的なアーティストのひとりだと言える。2010年も半分が過ぎたが、既に彼は多くのことを達成している。前作で高い評価を受けた、ジャズを取り入れたプロジェクト、コブルストーン・ジャズのセカンド・アルバムを出し、また個人名義によるアルバムも発表した。だが意外なことに、この『Agents of Time』は初のソロ・アルバムになる。既にソロとしても数々のダンスフロア・ヒットを送り出してきたことを考えると、不思議なほど遅いデビューだ。しかし、作品を実際に聴いてみると納得の内容だ。『Agents of Time』は彼のよりディープでアトモスフェリックな側面が表現され、心地いいリスニング体験を提供してくれる。7月10日(土)に東京でライブを披露するこのカナダ人プロデューサーに、様々な話を聞いた。

今はどこで何をしているんですか?

マシュー:ビーチに座ってザ・モール(コブルストーン・ジャズの新メンバーでもあるアーティスト)と一緒にカンパリ・オレンジを飲んでる。このインタビューが終わったら泳ぎに行くよ。

もうすぐ東京に来られますね。来日は楽しみですか?もう何度も訪れていると思いますが、もしお気に入りの場所や好きな時間の過ごし方があれば教えて下さい。

マシュー:僕は日本が大好きで、自分の音楽をプレイするにも最も好きな場所のひとつだよ!!食べ物が最高だし、人もテクノロジーも文化も大好きだ。本当に素晴らしいところだから、いつかしばらく住んでみたいと思ってるよ。東京で一番好きな場所は『Five G』(ヴィンテージ・シンセサイザーのお店)!それ以外だとミックス・メディアのアートやアート・ギャラリーを観に行くのが好きだね。

東京で曲を作ったこと、この街が曲のインスピレーションになったことはありますか?

マシュー:僕のここ最近の曲の、最も大きなインスピレーションになっているよ。新作のアルバムはとても東京に影響を受けている。特にタイトル曲の『Agents of Time』という曲はそうだね。僕は日本のテクノロジーと自然のバランスが素晴らしいと思っていて、すごく特別な場所だよ。

多くの人が東京を映画『ブレードランナー』の世界のようだと言いますし、エレクトロニック・ミュージックを聴く環境としては最適だと思うんですが

マシュー:それは面白いね、ヴァンゲリス(『ブレードランナー』のサウンドトラックを制作したアーティスト)はエレクトロニック・ミュージックの中でも、僕が最も好きなアーティストのひとりだよ。あの映画は公開された当時から、ずっと僕の大きなインスピレーションであり続けている。オールタイム・フェイバリットのひとつだ。だから東京も僕に大きなインスピレーションを与えてくれるんだね。

私は個人的に、エレクトロニック・ミュージックは都市で聴くのが最もハマると思うんですが、どう思いますか?

マシュー:僕はね、実は森の中で聴くのが好きなんだ!木に囲まれた環境に大きなファンクション・ワン(スピーカー)を置いて聴く以上に最高なものはない。ラビリンスがいい例だね。僕は9月に10周年を迎えるラビリンスに出演しに、また日本に戻ってくるよ。僕のこの夏最大のハイライトになるだろうね。

今年に入ってから2枚もアルバムを発表されていますね。コブルストーン・ジャズの『The Modern Deep Left Quartet』と、あなた自信の名義による『Agents of Time』。この2つは音楽的にはどんな違いがあるんでしょうか

マシュー:僕が個人で作る音楽はとてもパーソナルなもの。自分自身の内面を深く掘り下げた結果だ。バンド(コブルストーン・ジャズ)の方は、スタジオでみんなでセッションを楽しみながら作っている。それがパーティーのような感じなのに対して、ソロは瞑想のような感じと言えばいいかな。

それぞれ、どのようなシチュエーションで聴くのが相応しいでしょうか?

マシュー:コブルストーン・ジャズのアルバムは、クラブのために作った。ソロのアルバムは、色んなものが混ざってる。大部分は映画『ファウスト』のサウンドトラックとして作ったもので、これまでの僕のダンス・シングルとはかなり違ったものだ。家でのリスニングにも適していると思うよ。

東京のクラブ『eleven』のイベントでは、バンドのライブとDJセットで出演されるんですよね?どのようなパフォーマンスにする予定ですか?

マシュー:いや、DJじゃなくて僕のソロのライブとバンドのライブをやるよ。僕はあのクラブ(旧Yellow)がまたオープンしてくれて凄く嬉しい。東京でプレイするには最も好きな場所だったから。アルバムに入っている新曲と、未発表の曲をたくさんプレイするつもりだよ。いつも移動時間に新しいドラムやベースラインを作っているからね。コブルストーン・ジャズ(モダン・ディープ・レフト・カルテット)はいつも100%即興なんだ。4人のメンバーがいるから、色んな実験の可能性がある。

夏のパーティー・シーズンが始まりましたね。向こう数ヶ月はあなたにとって非常に忙しい時期になるかと思いますが、特に楽しみにしているイベントやフェスティバルなどはありますか?

マシュー:スペインのモネグロス・フェスティバルがもうすぐあるね。めちゃくちゃクレイジーな場所だ。4万人が集まって24時間ぶっ通しなんだ。それとさっき触れたけど、ラビリンスが楽しみ。つい先日にはバルセロナのソナーに出演したし、もうすぐイビサのSpaceにも出る。今までで最も忙しい夏だよ。同時に2枚もアルバムを出すなんてバカげたアイデアだったんじゃないかと思うこともあるけど、このタイミングで出さないと、ずっとソロを出す機会を逃すような気がしたんだよね。

休暇を取れることはあるんですか?もし取れるとしたら、何がしたいですか?

マシュー:実はゴアに家があって、仕事が詰まっていないときはそこでゆっくりするんだ。すごく気に入ってる。ツアー生活とベルリンでの生活のバランスを取るには最適。そこでの過ごし方は、朝起きてヨガをやって、バイクで海まで行って丸一日泳いだり本を読んだりして過ごす。冬にはスノーボードをするのも好きだよ。

マシュー・ジョンソンは、7月10日(土)東京のクラブeleven http://go-to-eleven.com/schedule/detail/80/2010/7に、9月にはLabyrinth2010 www.mindgames.jp/に出演する。

『Agents of Time』

By 浅沼優子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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