東京、親子丼15

神田、築地、新橋、白金で味わう絶品親子丼

東京、親子丼15選

説明するまでもないが、親子丼とは鶏肉を割下で煮込み、卵でとじたものを米の上にのせた料理だ。もともと鶏鍋の〆として提供されたのがはじまりといわれており、シンプルな料理だからこそ素材の良さが重要になってくる。そうなると美味しい親子丼を求めたときに専門店に足が向くのは当然といえば当然。今回も焼鳥屋や水炊き料理店のランチメニューなどが大半を占めた。文章では「とろとろ卵」など一辺倒な表現になってしまうが、どの店も、卵の火入れ、鶏肉の調理など趣向を凝らしているので、百聞は一食にしかず。ぜひ食べ比べてみてほしい。


末広町:鳥つね自然洞

末広町の鳥つね自然洞を訪れたら、少し贅沢して限定20食の特上親子丼を注文してほしい。なかでも『特上もつ入親子丼』(1,900円)は絶品。鶏肉は柔らかい食感を残すためレアに近い状態。レバーはなめらかな舌触りだ。こだわりの兵庫県産卵はふんわりと火を入れたものと、ほとんど生のものが二層になり、黄身の鮮やかなオレンジが食欲をそそる。
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神田:伊勢ろく 本店

神田にある伊勢ろく本店では、名物の『親子丼』を、680円という驚きのコストパフォーマンスで堪能できる。安いからと言って質に妥協は一切無く、弾力のある新鮮な鶏肉とふわとろ半熟卵の絶妙なバランスを味える。中でも特筆すべき点は、出汁の旨さ。甘辛く濃いめの出汁がご飯までたっぷりと染みており、絶品の卵掛けご飯として最後まで楽しむことができる。
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丸の内:新橋 鶏繁 どんぶり子

今回紹介する親子丼の大半はランチメニューだが、昼間は食べに行けないという人は東京駅構内のどんぶり子へ。新橋の老舗焼き鳥店鶏繁が手がけているだけあり、味は本格派。1番人気の『すみ焼きもも肉親子丼』(1,100円)は備長炭で焼き上げた岩手県産の南部地鶏を使用しており、口へ運ぶと炭の香りが広がる。比較的しっかりと火の通った卵も濃いめの味付けでパンチの効いた仕上がり。
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人形町:玉ひで

創業1760年の老舗、玉ひでは軍鶏鍋の専門店だが、親子丼発祥の店として知られている。親子丼が単品で楽しめるランチタイムは店の前に長い列が出来る。そぼろや、白レバー入りなど、4種類の親子丼が用意されているが、はじめてなら『元祖親子丼』(1,500円)を注文したい。新鮮な軍鶏と半熟状態の卵のコントラストが鮮やかで、行列も納得の出来といえるだろう。
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茅場町:鳥ふじ

茅場町にある鳥ふじは、老舗・鳥つねで学んだ味に板前のこだわりをくわえ試行錯誤した、究極をうたう『親子丼』(950円)が人気。北海道産の新鮮な知床鶏の胸肉ともも肉は火を通しすぎず、ふんわりとした噛みごたえがある。絶妙な火入れで、半熟部分とわずかに固まってタレが染みた部分の両方が楽しめる、こってりと濃厚な最高級の卵は絶品だ。早めの時間に来店できたら10食限定の名古屋コーチンを使用した『特上親子丼』(1,400円)もおすすめだ。
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築地:鳥めし 鳥藤分店

築地場外にある鳥めし 鳥藤分店は、100年以上続く老舗鶏肉卸が経営しているとあって、鳥の品質は抜群。おすすめは『しゃも親子丼』(1,200円)。甘口で濃いめのつゆで仕上げたとろりとした卵と、弾力があり、さっぱりとしていながら旨みもあるしゃものバランスが絶妙。セットで提供されるコラーゲンたっぷりの濃厚なスープとの相性も良い。
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築地:鳥焼 辰の字

市場からは少し離れるが、ボリュームを求めるならば築地本願寺の裏にある焼き鳥屋、辰の字のランチがおすすめ。大きくカットされたジューシーな鶏肉がごろごろと入り、そこにとろっとした卵がからむ。鶏肉の味に自信があるためか薬味などは一切使用せず、味付けも薄め。シンプルに鶏肉の旨みを感じられる一杯だ。写真:『親子丼』(850円)
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築地:南ばら亭

築地場外にある親子丼専門店、南ばら亭は、屋台のような簡素な店舗ながら親子丼は一級品。『阿波尾鶏炙り親子丼』(1,600円)は、鶏は徳島産の高級品種、阿波尾鶏、米は千葉の農家から仕入れた無農薬のコシヒカリ、卵は濃厚な味わいの紅孔雀と素材にも一切の妥協が無い。鶏は小さめのカットながら香ばしく炙られた皮がしっかりした存在感を放っている。
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新橋:末げん

新橋駅前にある末げんは1909年創業の老舗鳥割烹。三島由紀夫が最後の晩餐として選んだ店としても知られている。ランチタイムの親子丼『かま定食』(1,080円)はひき肉を使用しているのが特徴的。奥久滋軍鶏、東京軍鶏、地養鶏、合鴨をブレンドしたひき肉は甘くしっとりと味付けられ、懐かしい味わい。卵と、三つ葉とともにふんわりとまとめられている。
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溜池山王:きすけ本店

溜池山王のきすけ本店では、秋田比内地鶏を使用した『親子丼』(980円)が人気。奥久慈卵の絶妙な半熟具合も素晴らしいが、特筆すべき点は比内地鶏の旨さだろう。プリプリの弾力感溢れる比内地鶏は、噛むほどに旨味が増す。比内地鶏の旨味が凝縮されたモモ肉とムネ肉をたっぷりと使用し、みりんだけですっきりとした甘さに仕上げた最高級の一杯だ。
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赤坂:赤坂すみやき料理 はやし

赤坂のすみやき料理 はやしでは、古民家風の店内で囲炉裏を囲みながら旬の食材が楽しめる。ランチメニューは親子丼のみと潔い。甘さ控えめの卵はふわふわの食感で出し巻き卵のような優しい味わい。上には生卵の黄身がのっているので、前半は出汁の風味を、後半は黄身を崩し、濃厚な卵かけごはんのように楽しもう。写真:『親子丼(普通盛り)』(950円)
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白金:酉玉 本館

恵比寿三丁目の交差点近くにある鳥料理屋、酉玉本館の親子丼は、その名も『巨匠の親子丼』。砂糖の代わりに甘酒を使用した優しい甘さの卵で自慢の鶏肉をふんわり包み込んでいる。玉葱ではなくごぼうが入り、しっとりとした食感にアクセントをくわえているのも特徴的。焼き鳥を味わった後の〆にぴったりの親子丼だ。人気店なので必ず予約して来店しよう。
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新宿:水炊き玄海 新宿高島屋店

創業80年以上を誇る老舗の水炊き専門店、水炊き玄海のランチ『親子御膳』(1,523円)は、わずかに炙った産地直送の伊達鶏本来の旨味がたっぷり。鶏皮がぱりっとしており、上品な甘みが感じられる。香ばしい鶏とふわとろ卵のハーモニーを楽しもう。また、セットでついてくる『水たき豆富』も絶品。濃厚な水炊きスープで煮込んだ豆腐は、この店でしか味わえない唯一無二の存在感を放っている。
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神楽坂:鳥茶屋 別亭

神楽坂にある鳥茶屋別邸の『(上)親子丼』(980円)は、これを目当てに神楽坂を訪れる人もいるほどの人気メニュー。旨みと柔らかさが特徴の富士高原鶏とふわふわで濃厚な地卵をたっぷり使用したボリュームある親子丼は、これぞ正当派という味わい。卵とご飯の間の刻み海苔が風味をプラスし、昆布と鰹節で丁寧にとった出汁で仕上げられた、名店ならではの逸品だ。なお、親子丼は平日ランチ限定なので注意しよう。
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神楽坂:本家あべや 神楽坂店

本家あべやで平日ランチタイムに食べられるのは、鶏肉、卵、出汁に至るまで、比内地鶏を100パーセント使用したという『比内地鶏究極親子丼』(並盛り 1,000円)。やや濃いめの味付けで割下も多めだが炭火で香ばしく焼きあげた地鶏の味がしっかり主張。鶏肉にはもも肉とむね肉2つの部位を使用しており、味の違いを楽しむことが出来る。たっぷりの卵も濃厚な味わいだ。
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タイムアウト東京編集部
神森真理子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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