2013年09月09日 (月) 掲載
2013年9月8日未明(日本時間)、2020年夏季オリンピック・パラリンピック競技大会開催都市に、1964年以来56年にぶりに東京が選ばれた。各都市それぞれに評価点と同時に懸念点も挙げられ、最後まで行方の見えない戦いであったと言えるのではないだろうか。結果として、東京五輪招致が実現するに到ったが、各国の熱のプレゼンテーションやプロモーション映像を見て、トルコ、そしてスペインという国や文化のそれぞれの特色に、興味を持った人も少なくないはずだ。せっかくの機会、まずはここ東京で、2カ国を知るに相応しいスポットを巡ってみてはいかがだろう。食、デザイン、建築など、それぞれ場所をピックアップした。これで満足できないという方は、是非渡航を検討すると良いだろう。
アジア、ヨーロッパ、中東とさまざまな文化が交差するトルコ。世界三大料理のひとつであるトルコ料理は、屋台で売られるケバブも含め、東京でも身近に楽しむ事ができる。自国の落選の失意の中にあっても、率先して祝意を評したトルコのエルドアン首相。イスラム教国初となるオリンピックが、近い将来、是非ともイスタンブールで開催される事を願う。
まずはケバブから始める。
六本木駅1a出口を抜け右へ、串に重ねられた肉とペルシャ風の内装が通りから伺える。同店の一押しはチキンのドネルケバブ。黄色いクミンでマリネされたチキンドネルは、30メートル先からでもその香りを楽しむことができる。ピタパン閉まり切らないほどたっぷりの肉と野菜をのせたサンドだが、500円という手頃な価格も嬉しい。ソースはオリジナル、ピリ辛、ミックスの3種類から選べる。平日は深夜まで営業しているので、飲みの〆にぴったりの一品。
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建築からトルコを紐解く。
代々木上原に突如現れるエキゾチックな建築物。毎日5回の礼拝の時間に合わせて開かれるイスラム教の礼拝堂(モスク)だ。敷地内にイスラム教やトルコ文化を紹介する『トルコ文化センター』も併設し、イスラム教徒でなくても内部を見学することが可能。モスクでは、イスラム教への改宗を勧める行為が禁じられているので、安心して見学して欲しい。ただし、礼拝している人の邪魔にはならないように気を付けたい。
『東京ジャーミイ』の詳しい情報はこちら
生活にトルコの風を取り入れる。
鮮やかな色使いや独特の絵柄が特徴のトルコ雑貨。西荻窪にあるトルコ雑貨専門店では、トルコの伝統的な織物のキリクや、ガラス製のランプシェード、レース編みのモチーフであるオヤがあしらわれたストールやネックレスなどアジアとヨーロッパの要素がミックスされた個性的なアイテムが並ぶ。トルコの女性陶器デザイナー、ニメット ヴァルルが手掛ける繊細で立体的なペインティングが施された陶器も人気だ。
『SOFA Turkish Decor』の詳しい情報はこちら
魅惑のイスタンブールナイト過ごす。
渋谷・宮益坂にある同店では、つるんとした喉越しが特徴的なトルコ風水餃子『マントゥ』や、現地では日常的に飲まれる定番スープ、レンズ豆とトマトのポタージュ『メルジメックチョルバ』など、いずれも家庭的なトルコ料理が味わえる。不定期ではあるが、店内ではベリーダンスのパフォーマンスが行われることも。魅惑のイスタンブールナイトを楽しんで。
『ANATOLIA SHIBUYA』の詳しい情報はこちら
トルココーヒーで未来を占う。
広尾と恵比寿の中腹にあるこのバーでは、トルコで親しまれるシーシャ(水タバコ)を、カウンターでカジュアルに楽しむことができる。女性の一人客の姿も多く、その理由は、店主が占い師だということにもあるのだろう。イラン出身の店主が占術するのは、深く焙煎したトルココーヒーを飲んだ後に残るかすの様を見て占うコーヒー占い(30分5,250円~)。水から煮立てた本格トルココーヒーの味も確かだ。
『アラシのCOFFEE&BAR』の詳しい情報はこちら
当時14歳で金メダルを獲得した元水泳選手、岩崎恭子のセンセーショナルなシーンが記憶に残るバルセロナオリンピックから11年。首都マドリードを立候補地として招致に挑んだスペインであったが、その機会は2024年以降へと持ち越された。海に面し、さんさんと陽が照らす明るい国土のイメージを持つスペイン。同国に魅せられたオーナーが営むレストランやショップ、昭和初期に造られ、今なお健在するスパニッシュ様式の建築物など、ゆかりあるスポットを紹介しよう。
テーブルに太陽を添える。
都立大学駅ほど近く、住宅街の一角に、南欧に訪れたかのような空間が広がる、スペイン製の陶器を取り扱うショップがある。現地直輸入の陶器の数々がずらりと並び、明るい原色を用い描かれた、花や果物柄の鮮やかな品々は、遠いスペインの照りつける太陽を彷彿させる力強さを感じさせる。個性的なテーブルウェアを探している人へはもちろん、南欧文化や輸入雑貨好きの方にも、是非訪れてみて欲しい一軒だ。
『グラダナ』の詳しい情報はこちら
スペインを食べ歩く。
渋谷クロスタワーの裏手にある、スペイン料理レストランでは、バスク地方で食されるという白いパエリア『アロス コン アルメハス』(2人前 3,990円)が味わえる。土鍋でたっぷりのあさりと一緒に炊き上げた、スペイン風のあさりご飯といったところ。ランチのおすすめは、アンダルシアなどで親しまれるカルドッソが提供される『アンダルシアランチ』(1,000円)。魚介をふんだんに使った濃厚なスープが食欲をそそる一皿だ。
『ラプラーヤ』の詳しい情報はこちら
昭和を歩んだスペイン様式を探る。
若松河田駅すぐ裏に、1927年に建てられたスパニッシュ様式の建築がある。小笠原長幹伯爵の館として建てられ、現在はリノベーションし、レストランとして営業。スパニッシュ様式の建築に合わせたスペイン風のコース料理とワインが楽しめる。レストランは完全予約制だが、バル&カフェは気軽に立ち寄ることができる。歴史的建造物の中で味わう食事は、感慨深い時間となるだろう。
『小笠原伯爵邸』の詳しい情報はこちら
スペイン坂の老舗を訪ねる。
渋谷・スペイン坂にあるスペイン料理レストラン。同店がスペイン坂の由来という説があるが、その真意は、1975年、当時、同地の近くにあった阿羅比花(あらびか)という喫茶店の店主が、パルコから通りの命名の依頼を受けた事にあるそうだ。渋谷のど真ん中に店を構えて30年を超えるこの老舗だが、今も変わらず賑わいを見せている。鉄鍋で調理された『魚介のパエリア』(2人前 2,600円)は、〆に注文するのにちょうど良いボリューム。
『びいどろ 渋谷店』の詳しい情報はこちら
フラメンコデビューする。
恵比寿の裏通りにあるスペイン料理店だが、夜は本格的なフラメンコのライブを楽しめる。店内の壁面にはスペインから訪れるフラメンコ舞踊家からのメッセージやサインがずらり。同じ建物にはフラメンコ教室のスタジオ、また専門ショップもあり、シューズやウェアをはじめ、アクセサリーなどの小物類やフラメンコに関する各種グッズを取り扱っている。
『Sala ANDALUZA』の詳しい情報はこちら
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