2009年09月30日 (水) 掲載
東京の人々は買い物の仕方を知っていて、またいつだって更に上達している。レアな工芸品や漫画、電化製品を買える機会より、東京で買い物に時間を費やすことは、ほとんど文化人類学を学ぶことに匹敵する。
規模の大きい、包括的な買い物天国のビルは六本木や丸の内に多数登場し、2007年にオープンした「東京ミッドタウン」や「新丸の内ビルディング」のような、新しいスポットが町に増え続けている。「モノクルマガジン」の主任、タイラー・ブリュレは「東京ミッドタウン」を「新しいインターナショナルなスタンダードで、詳細までこだわった場所のための、多様化した目的の発展形だ」と記した。インテリアはとても印象的。水や木材を使用して、のどかな雰囲気を作り出し、テナントはその美しさを保つのに努力を惜しまない。コンビニエンスストアのセブンイレブンから地下のフードコートまで、全ては一体となり高級な美学へと結びつく。しかしなめらかなデザインの背景にはリテールの慣習にのっとった努力がある。ダークなディスコのようなブティック「Restir」の他には、レストランや文化系アトラクションの「21_21 Design Sight」や「サントリー美術館」を訪れた後に「ミッドタウン」のショップを楽しみと考えるのがベスト。同様に、「六本木ヒルズ」近辺では、メインストリームのレディースファッションを探していない限り、ショッピングは「森美術館」に行く際のベストな選択と言える。
また丸の内の辺りも最近、急激な変貌を遂げた。
以前はビジネスエリアであったが三菱地所により、新たに生まれ変わった。 一昔までは静かであった仲通りも、今では多様化した「丸の内ビルディング」へと続くブランドショップが立ち並ぶ道になった。当初の構造は長年にわたる、しかし非公式なルールを軽視する、皇居を見下ろすビルであった。似たような冒険的事業は「新丸の内ビルディング」。「丸の内ビルディング」の隣に2007年にオープンした。以前はビル内のレストランだけが知られていたために、保守的なテイストを持つ関東圏の働く女性に、ブランドショップとミニマルなケーキ屋のコンビネーションを使い魅力的なアプローチをかけた。
東京で最もトレンディーで革新的なファッションショップはやっぱり高級な青山と隣接した原宿に集中。
この辺りの散歩はたくさんのおもしろいショップを発見することになる。ヒップホップスタイルの中心地、「A Bathing Ape」やカルト的人気を誇る「Billionair Boys Club」からとてもハイエンドな「Comme des Garcons」や「Louis Vuitton」、「Prada」のフラッグショップまで、色々と揃う。「Comme des Garcons」の真向かいには、痛々しいほどトレンディーで、地下牢のようなファッションビル、「Loveless」があり、アップカミングなデザイナーブランドの宝庫となっている。
そして地元のティーン達は最近リニューアルしたファッションモールで、「六本木ヒルズ」と同じ運営者が経営する「Laforet」に足げに通う。 アンティークファンなら青山の骨董通りに行けば、東京にある最も息の長い骨董品屋の半分に出会える。
原宿から一つ目の駅は渋谷、ファッションの流行最先端のメッカ、「109」がある場所だ。その週のファッションを探していても、見に行くだけでも楽しいスポット。
近くの漫画とアニメのメガストア、「まんだらけ」(新宿区宇田川町31-2, 03 3477 0777, www.mandarake.co.jp)はおたくグッズを買うにはうってつけのショップ。
さらにコアなファンは秋葉原へ行くべし。電化製品街として有名なこのエリアはおたく文化の天国のよう、漫画の同人誌から数百万円もするフィギアが並ぶ。そして電化製品はいまだに豊富な品揃え、幾多のフロアを有した百貨店が並び、お気に入りがきっと見つかるはず。そのエリアの向こう側には中央線上の中野。ここにも「中野ブロードウェイショッピングセンター」(03 3387 1610, www.nbw.jp) などアニメに関するグッズが集合。
この古いアーケードは昔の漫画を取り揃え、コレクターに人気のフィギアやおたくグッズを取り揃える「まんだらけ」や「フジヤエービック」の支店もある。
東京で最も、有名なショッピングエリアはラグジュアリーなお店が並ぶ銀座、日本全国に渡り小さい商店街がきまって「~銀座」とうたうことでも知られる地名だ。高級デパートと、ヨーロッパのハイブランドは銀座の町並みと一体となっている。主要な海外ブランドは全て揃い、ブランドのロゴが入ったバッグなどへの買い物欲を必ず満たしてくれるが、この地へ赴くベストな理由は、ショップの外観をチェックすることだ。「ミキモト」に「Chanel」、そして「Hermes」の外観は写真を撮るに値し、東京の奇抜な発想を強調する。銀座の裏通りは探検するのにもってこい。多数のおもしろい小さい店があり、伝統工芸品や着物、剣などを販売している。和紙ならなんでも揃う「鳩居堂」の銀座店は、ランドマークにもなっているアーチ型のレンガのエントランスがあり、和紙で出来た季節のギフトカードやボックス、ノートブック、額などお手頃価格のアイテムが揃う。食通なら「デパ地下」と呼ばれる、デパートメントストアの地下に行くべき。視覚と嗅覚を刺激するグルメが揃っている。日本全国で有名なお菓子屋は全てここに揃い、こぞってお土産リサーチを手助けしてくれる。「和三盆」のまろやかな風味の砂糖菓子や小豆羊羹がおすすめ。洗練されたラッピングの高級緑茶なども取り扱う。
東京ではレコードはまだまだ健在で人気継続中。渋谷はハウスミュージックやヒップホップの新旧のレコードを扱うショップがたくさんある。新宿はロックやオルタナティブミュージックを探すのに最適の場所。新宿西口から北へ延びる、主要道路の小滝橋通り近辺にかたまっている小さい店などがおすすめだ。また新宿にはレコードチェーン店、「Disk Union」などもある。同社の数ある支店はパンクからファンク、ジャズからヘビーメタルまでジャンルごとに細かく分かれている。渋谷でも新宿でも専門的なストアの多くは、摘発を警戒しながら、アパートビルの中に、街路わきのサンドイッチボードと共に人目につかない場所にある。それらの小さい店は通常のショップより値段が高いが、オーナーはグローバルなレコードを扱い、頑固な音楽ファンで、セレクションは最上級だ。
営業時間は今までより少し長くなってきている。大抵は毎日10時か11時に開店し、20時に閉店するが、渋谷や原宿、新宿など繁華街の多数のショップは今では22時まで営業している。伝統的なものや、工芸品を取り扱う小売店は通常月曜日か水曜日に定休日を設けている。ほとんどの店は祝日にもオープンしているが、事前に電話で確認が望ましい。
Tokyo Shortlist から翻訳、編集
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