東京LGBTQ サーベイ(1)

アンケート調査で見る東京のLGBTQシーン

東京LGBTQ サーベイ(1)

テレビ番組はもちろん、LGBTQをテーマにした文学や映画、アート、LGBTQ層が発信するファッションや音楽情報などを介して、これまで以上にLGBTQの生き方や考え方、独自のセンスなどは広く一般に浸透し出している。まして、東京に住む都市生活者となれば、仕事やプライベートで直接的にLGBTQ層と触れ合う機会が多い人も少なくないだろう。

身近になってきたLGBTQカルチャーをはじめ、LGBTQシーンの全体像に迫るため、タイムアウト東京では、LGBTQをテーマにした調査『東京LGBTQサーベイ』を実施した(※1)。調査では、「カミングアウト」にはじまり、「ヘテロセクシャルとの関係性」、「消費スタイル」など様々なトピックを取り上げた。例えば、その数字から見えてきたのは、LGBTQ層は、ファッションや音楽、アートへの感心が高く、消費にもアクティブで、ヘテロセクシャルから「センスが良い」というイメージを持たれる傾向にあること。ヘテロセクシャルにとっても、アンテナを張り巡らせ、こだわりの情報を説得力のある声で発信するLGBTQ層からは目が離せないようだ。調査結果には、マイノリティという言葉の境界線もぼやけてくるようなジェンダーを超えた共通項の発見もあれば、その境界線がぐっと色濃くなる、ヘテロセクシャルは持ち合わせない感覚や感性がさらされていることもある。東京レインボーウィークの開催に合わせ、タイムアウト東京では4回に分けて、アンケート結果から見る東京のLGBTQシーンを紹介する。刺激的でいて、親しみのある関係性を楽しむためにヒントにしてほしい。

※1)本記事で紹介しているデータは、2011年10月に開催された『第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』の来場者を対象に行ったアンケート調査結果をまとめたもの。有効サンプル数:583

LGBTQって何?


LGBTQは、概念としては、性的マイノリティとほぼ同義の言葉。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングの頭文字から作られた頭字語だ。ゲイのコミュニティ、トランスジェンダーのコミュニティ等に属する人々が、自らを呼ぶ言葉としてこの名称を選んで用いている。今回の調査にあたっては、以下を前提とした。

L(レズビアン)=性的指向が女性へと向かっている女性
G(ゲイ)=性的指向が男性へと向かっている男性
B(バイセクシュアル)=複数のジェンダーに引き寄せられ、魅惑される両性愛者
T(トランスジェンダー)
=身体的特徴ないし遺伝子上の性に基づく男性か女性かの他人による識別とは違う「性自認」(女か男か、あるいはそのどちらでもないか)の状態にある人
Q(クエスチョニング)=自分のセクシュアリティを探している人

※文中に多く登場するヘテロセクシャルとは、性的指向が異性へと向かっている男性・女性(異性愛者)を意味する。

カミングアウト


友人、兄弟、親など相手は様々だが、誰かしらにカミングアウトしている数値は、ゲイ88.5%、レズビアン94.3%、バイセクシャル87.9%と、非常に高い。2005年に行われた東京国際レズビアン&ゲイ映画祭映画祭での調査結果で見られた、男性ゲイ75.1%、女性レズビアン86.5%という数値と比べると、カミングアウト率が上昇の傾向にあることがわかる。また、カミングアウトの相手を見ると、いずれの層も「限られた親友にしている」が最も高く、心配させる親や兄弟よりも、相談に乗ってくれる親友に、ということのよう。さらに、「誰にも隠してない」というレベルでカミングアウトしている人は1割以内であり、社会全体に対してオープンにしている人は、まだ少数と言える。



カミングアウト率 2005年 対 2011年



カミングアウトの相手

読者の声


ほとんどの友達、職場の人たちにカミングアウトしているが、元公務員の父親含め、家族にはその話はできないでいる。(アパレル/28歳/ゲイ)

同棲しているパートナーの両親とも親しくしているが、女の子同士なので、仲の良い親友/ルームメイトだと思われていて、なかなかカミングアウトができないでいる。(OL/38歳/レズビアン)

ゲイの友人のご両親とお会いしたときに、恋人という体で会うことになったことが…。(編集者/32歳/ヘテロセクシャル)



『東京LGBTサーベイ』

(2) ヘテロとの関係性

今後の更新予定
(3) 興味・関心・こだわり領域
(4) LGBTQフレンドリー企業

テキスト タイムアウト東京編集部
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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