ロングボードでサーフトリップ

若き天才ボードシェイパー、ロビン・キーガル来日インタビュー

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ロングボードでサーフトリップ

プロ・サーファーであり、10年にひとりの逸材と言われる天才サーフボードシェイパーのロビン・キーガルが来日中だ。ロビンが展開する、サーフとアートをコラボレートさせたブランド『ガトヘロイ(GATO HEROI)』は、インパクトとオリジナリティあふれるデザインでカリフォルニアのロングボードシーンをけん引し、世界からも注目を集めている。白が基本のボードにマーブル模様を施すなど、そのデザインは斬新だが、60年代から続くサーフィンの歴史を学ぶことでアイデアを生み出しているという。

今回のテーマは『サーフサファリ』で、ロビンはハンドメイドのロングボードとウェットスーツを手に、カリフォルニア、ハワイ、日本、オーストラリアを周った。そして再び、フィルムと音楽とを合わせた旅の集大成を公開するため来日を果たした。2010年4月11日に開催されたイベント『Break:TOKYO,JP』では、会場にガトヘロイのボードが飾られ、カリフォルニアから来日したトゥモロウズチューリップスの演奏が鳴り響き、ロビンは満足そうに「楽しんで欲しいなんて言わないよ、ハイになって欲しいんだ」と語った。

16歳からボード作りに集中し、現在26歳となったロビン。サーフィンに対する情熱は語り尽くせるはずもないが、彼のインスピレーションが一体何から生まれるのかを聞いた。

たくさん旅をしていますね。

ロビン:たくさん旅をしているわけじゃないかもね。新しい場所にはあまり行かず、好きな場所に何度も通っている感じかな。コスタリカやハワイには、“帰る”という言う方がしっくりくるし。東京も年に3回は来るよ。

東京に来る時に必ず行く場所はありますか?

ロビン:『GREENROOM FESTIVAL』はだいたい参加する。サーフィンをテーマに、音楽とかアート、映像、写真などをコラボレートしたイベントで、とってもクール。一度僕もブースを出したことがあるけれど、アメリカからもたくさん友達が遊びに来てくれて、とっても良いイベントだった。桜が満開の時に来たことがないのが残念だけど、盆踊りも好きだし、静岡県の静波海岸でやっている『フィッシュフライジャパン』というサーフィンのイベントにも何度か参加した。
それから、買い物をするのは『LOVELESS』。友人のフランス人デザイナーの洋服が並んでいたこともあって、オープニングパーティにも行った気がするな。でも何より、日本は台風シーズンの波が最高だよね。9月から11月にかけては日本での波乗りがとても楽しい。

おすすめのサーフィンポイントはどこですか?

ロビン:種子島はベストポイント。それから、稲村ヶ崎にも時々行く。台風の時期は、リトルハワイのようになるからね。千葉は風が強くて波が良い時があるけど、千葉に行くなら北海道とか仙台に行ってみたいかな。

サーフィン関連のヴェニューでお気に入りはありますか?

ロビン:『シーコング』。例えばゴルフショップに行くと、ゴルフクラブがたくさん並んでいるでしょ。シーコングには、本当にたくさんの種類のロングボードがあって素晴らしい。僕の作ったボードもあるよ。

ボードを作るのにはどれくらいの時間がかかるんですか?

ロビン:ボードによるけど、シェイプするのにだいたい2日。それから色をつけてラミネートするのに6時間かかって、そのあとまたやすりをかけたりするから、2週間くらいかな。

ボードを作ったりカラーリングする時のインスピレーションはどこからくるんですか?

ロビン:モネは大好きだよ。自然のものが大好きで、動物も良く観察する。体の線が素晴らしいのと、鳥や虫がまわりの環境に合わせて色を変えたりするのを見ていると、自分のボード作りの参考になる。板の形は同じなのに、色のつけかたによって、シャープに見えたり太く見えたりするからとても面白い。それから、リック・グリフィン。彼はアンビリーバブルなアーティストだよ。グレイトフル・デッドとか、ステッペン・ウルフとかたくさんのアルバムジャケットを手がけているし、たくさんのアーティストが影響を受けていると思うけど、僕もそのひとりだ。でも、誰かのファンになっちゃダメだ。尊敬するのは良いけどね。自分で自分の道を歩まなくちゃ。

……うーん、サーフィンは世界中の海でできる。それが1番のインスピーレションだ。

テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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