マラソンデビューのおすすめレース

東京マラソン2010の開催まで、あと1ヶ月となった。およそ8.9倍の倍率で当選したランナーたちは、顔を合わせればお互いの練習具合を探り合う。この当選が、幸運なのか、不運なのか、当日の大会を楽しめるかどうかは、当人の練習次第である。都庁からゴールの東京ビッグサイトまで42.195キロ。東京の観光地をめぐるコースはほぼフラットだが、30キロを超えてやってくる佃大橋の坂は、ランナーの体力をさらに奪う。だが、沿道からの暖かい声援と、7時間に設定されたゆるめの制限時間が、完走率をぐっと上げ、2009年大会では97.4%が完走した。2010年大会も、さらにフルマラソン完走経験者が増えそうだ。ただ、今回抽選にはずれてしまったからと言って、都内を走るチャンスがないわけではない。2010年1月25日には、芸能界でトッププラスの健脚を誇る猫ひろしが、ひと味変わったマラソン大会に参加した様子をまとめた『猫まっしぐラン!！おもしろマラソンガイドブック』が書店に並んだ。編集を手がけた白滝桂子に話を聞くと、都内近郊には、まだまだたくさんのおもしろマラソンがある。エイドステーションに並ぶ食べ物が魅力的な大会など、いろいろ集めてみたが、記録を狙うもよし、仮装するもよし、友人とたすきをつなぐもよし、自分の好みと実力にあった楽しめるレースを探して欲しい。

フロストバイトロードレース

毎年1月に開催されるレースで、横田基地内を走る。滑走路を並走するフラットなコースで、ハーフマラソン、5キロ、2キロのキッズランと、2キロのファミリーランと、参加の仕方もいろいろだ。基地内に住む職員や家族らが英語で声援をかけてくれ、さながら海外マラソンに出場しているようなのが楽しい。アメリカンテイストなチョコレートケーキや、参加賞のトレーナーがかわいいのも人気の理由のひとつだ。

ウェブ：www.yokotastriders.com/

荒川市民マラソン

制限時間は7時間と、初心者ランナーにも嬉しいフルマラソン大会で、2009年大会の完走率は96.4%。川沿いは風よけがなく、風が吹くと辛いが、フラットで非常に走りやすいコースだ。給水や給食のサービスは15カ所に設けられ、35キロ地点にあるシャーベットステーションは、大会の名物となっている。

ウェブ：www.tasm.jp/index.html

EKIDEN カーニバル 東東京大会、西東京大会

毎年、4月には荒川で、11月には昭和記念公園で開催される世界最大規模の駅伝大会だ。2009年度には、東東京大会、西東京大会、そして大阪大会の3大会合わせておよそ2万人が参加している。4人一組でたすきをつなぎながら走る楽しさをぜひ1度味わって欲しい。

ウェブ：ekiden-carnival.jp/etokyo/index.shtml

千葉県・富里スイカロードレース

スイカが名産の千葉県、富里市で、毎年6月に開催される、スイカ食べ放題のレース。記録よりもスイカの美味しさに負けて、“給スイカ所”めがけて塩を片手に走るランナーや、座り込んでスイカを味わうランナーもいる。コースは、10キロ、5キロ、3キロの3種類があり、どのコースでも、スイカが乾いた喉を潤してくれる爽やかな大会だ。

ウェブ：www.city.tomisato.chiba.jp/suika/race001.html

群馬県・安政遠足　侍マラソン

毎年5月の第2日曜日に開催される大会で、とても歴史が古い。江戸時代に、当時の安中藩主であった板倉勝明公が、藩士の心身鍛錬のために、徒歩競争をさせたことが始まりになっている。およそ30キロの『峠コース』と、およそ20キロの『関所コース』があるが、峠コースは、スタートとゴールの標高差が1000ｍ以上もある大変厳しいコースになっている。また、 8割のランナーが仮装で参加するのもこの大会の目玉のひとつで、仮装をしていないランナーの方がかえって目立ってしまうほどだ。

ウェブ：www.city.annaka.gunma.jp/kanko_gyouji/tooashi/tooashi.html