東京で除夜の鐘がつける寺院5

終わり良ければすべてよし、鐘つきで煩悩をぶっ飛ばせ

東京で除夜の鐘がつける寺院5

麻布山 善福寺

2009年もラストウィークに突入、年賀状の発送や大掃除、角松の飾りつけ、おせちの準備など、日本の年末にはやるべきことがとても多い。過ぎゆく年を惜しみ、一年の最後を締めくくる、新しい年を迎えるための行事のクライマックスが、寺院の梵鐘(ぼんしょう)を108回鳴らす除夜の鐘である。除夜の鐘とは、年の改まる12月31日の深夜から鐘をつきはじめ、仏教において言われる、人間にある肉体的な欲望、精神的な欲望、他人に対する怒り、執着など108の煩悩を振り払うための行事だ。寺院によっては、108の数にこだわらず、参拝者に鐘をつかせてくれるところもある。こたつで暖をとり、テレビから流れる鐘の音を聞きながら年を越すのも良いが、今年は自分自身で鐘をつきに出かけてみるのはどうだろうか。大晦日の夜、ひんやりと澄んだ空気に鐘をつけば、響き渡る鐘の音に邪念は消え、訪れた心の静寂をもって、新しい年を迎えることができる。不況で重く暗い一年だったからこそ、そんな新年の迎え方が心地よい。

麻布山 善福寺

1000年以上の歴史がある寺院。平安時代に、弘法大師が真言宗を関東一円に広めるために開かれた。境内には樹齢推定700年のイチョウの木があり、国の天然記念物に指定されている。除夜の鐘は、人数制限がなく、並べば全員つくことができる。

住所:東京都港区元麻布1-6-21
電話:03-3451-7402
ウェブ:www.azabu-san.or.jp/

築地本願寺

京都にある浄土真宗本願寺派本願寺の別院。本堂の建物は、インド様式の石造りで、ライトアップが非常に美しい。本尊は聖徳太子の作と伝えられている。除夜の鐘は、本堂で23時20分まで整理券が配布される。法要に参拝した後、鐘をつくことが可能だ。築地本願寺の鐘をつくことができるのは、1年でこの機会だけ。ちなみに、毎月1回、最終土曜日の午後5時30分から、英語による法話が開催されている。

住所:東京都中央区築地3-15-1
電話:03-3541-1131
ウェブ:tsukijihongwanji.jp/

堀之内 妙法寺

江戸時代から、厄除けのお寺として全国から大勢の参拝者がある寺院。境内には、仁王門・鉄門・御成の間、祖師堂と、東京都指定文化財や国指定重要文化財とされる建造物があり、仁王門の左右に安置される金剛力士像は、徳川四代将軍家綱公が寄進したとされている。除夜の鐘は一般参拝者もつくことができ、正月三が日の三日間は、福を招くとされる小槌『“やくよけ招福”打ち出の小槌』で『鐘楼の大鐘』をつくことができる。

住所:東京都杉並区堀ノ内3-48-8
電話:03-3313-6241
ウェブ:www.yakuyoke.or.jp/

高幡不動尊金剛時

新選組ゆかりの地、土方歳三の菩提寺で、関東三不動のひとつに挙げられる。ご本尊の丈六不動三尊は、総重量1100キロを超え、日本一と伝えられる巨像で、国の重要文化財に指定されている。除夜の鐘をつけるのは、当日先着した限定108組で、昼ごろから配布が予定されている整理券が必要。

住所:東京都日野市高幡733
電話:042-591-0032
ウェブ:www.takahatafudoson.or.jp/

品川寺

大梵鐘(だいぼんしょう)は、何らかの理由によって海外に持ち出されたものが、スイスのジュネーブで見つかり、昭和5年に返還されたもの。“鐘”が返ってきたことと“金”をかけて「金がかえってくる」とし、縁起をかついで鐘をつきに来る人も多い。鳴らす回数は108と決まっているが、何人かで鐘をつくなどして、なるべく希望する全員が鐘をつけるようにしてくれる。境内では夜11時から、古いお札やお守り、1年間使った生活道具を火にくべて新年の幸せを祈願する『おたきあげ』も行われる。

住所:東京都品川区南品川3-5-17
電話: 03-3474-3495
ウェブ:www.evam.ne.jp/honsenji/

テキスト 東谷彰子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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