2013年07月31日 (水) 掲載
2013年6月に、ついに世界文化遺産に登録された富士山。1度は登ってみたいものだが、やはり日本最高峰の山だけあって、そう簡単には登れるものでもない。もう少し気軽に富士山を楽しんでご利益をあやかれたら……。そんな人におすすめしたいのが、ここで紹介する富士塚だ。
富士登山が流行った江戸時代の後半に、近場で気軽に富士登山ができるようにと、富士山を信仰する集団「富士講」によって関東各地に造られたのが富士塚である。富士山の溶岩を使って造られた高さ数メートルの小高い山で、いわば富士山のミニチュアと言ったところ。富士塚に登山すれば、富士登山と同じご利益が得られるというのもありがたい。当時は町の数だけあったとされる富士塚の内、都内で現存するものは50ほどと言われている。今回はその中から、都心で登れる富士塚5つをピックアップした。現在、多くの富士塚は登り口が鎖などで閉鎖され、実際に登れるチャンスは7月1日の富士山の山開きにあわせて開催される祭や正月に限定されている。(ここで紹介する5ヶ所は年中訪れることが可能)
千駄ヶ谷の鳩森八幡神社内にある富士塚。1789年につくられたもので、現存する都内の富士塚では最も古く、東京都市指定有形民俗文化財にも指定されている。毎年6月のはじめ頃、富士塚のまわりに咲く菖蒲は見事。富士塚に登頂後、神社の社務所で富士山のイラストが入った登頂証明書(300円)を発行してもらうことも可能。
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新馬場駅前の品川神社内にある富士塚。1869年に富士講によってつくられたもので、現存する都内の富士塚では最も高い15m級。神社正面の階段の中腹が登山口となっており、1合目から頂上まで目印がある。反対側には5合目からの登り口もある。頂上からは東京湾方面が見渡せる。
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『東京都内最高峰の富士塚、品川富士に登ってみた』のブログ記事はこちら
池尻大橋から渋谷方面に5分ほど歩いた大橋氷川神社内にある富士塚。正面の階段の横、少し左手脇にある登山口が富士塚への入口となっている。かつて上目黒1丁目の別所坂にあった元富士を遷したもので、1合目から頂上まで目印が立てられており、頂上には浅間神社もそびえる。毎年7月1日には、富士山の山開きと合わせて『富士浅間神社例大祭』が行われる。
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東十条駅から数分歩いた場所にある、高さ6mほどの富士塚。地元では『おふじさん』の名で親しまれている。小さな鳥居をくぐり、階段を数段登ると頂上に辿り着く。頂上には小さな祠が祀られている。富士山の山開きの日である6月30日と7月1日には、毎年『十条冨士神社例大祭』が行われ、沿道に多くの露店が並び賑わいを見せる。
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駒込駅から7分ほど歩いた場所にある富士塚。急な階段を登り切ると、頂上には駒込富士神社がそびえる。江戸時代に盛んだった富士信仰の拠点のひとつで、初夢に見ると縁起がよいとされる江戸時代から伝わる諺「一富士、二鷹、三なすび」の富士は駒込富士のことを詠んでいると言われている。毎年、6月30日から7月2日までの富士の山開きに合わせ開かれる例大祭は多くの露天で賑わう。
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