大久野のフジ
2012年05月02日 (水) 掲載
桜の季節が終わりに近づくと、咲き始めるのが藤の花だ。2012年は、例年に比べてボリューム感の少ない藤が多いそうで、開花も少し遅めになっている。だが、垂れ下がる花房は充分に楽しめるので、満開をねらって、グラマラスな花と甘い香りを楽しんでほしい。
梅の名所として知られているが、4月下旬から15棚、およそ100株の藤が一斉に花を咲かせる藤の名所でもある。境内にある藤の木は、350年前の 神社創建時に植えられたと伝えられており、江戸時代から『亀戸の五尺藤』、『亀戸の藤浪』として親しまれている。2012年5月6日(日)までは藤まつりが開催されており、日没から深夜まで藤棚がライトアップされる。現在は、満開一歩手前の状況。
達磨市で有名な拝島大師のとなりにある拝島公園には、東京都の指定天然記念物に選定されている『拝島の藤』がある。地元では『千歳の藤』とも呼ばれ ており、樹齢は800年以上とされている。広さは約300平方メートルにもなるので、見応えある藤棚だ。花の見ごろはゴールデンウィーク前後。
世田谷区大蔵にある個人宅に植えられた、樹齢およそ80年の藤の木。昭和59年に世田谷区によって発案され、区民の投票によって選ばれた『せたがや 百景』や、世田谷区の『銘木百選』にも選定されている。持ち主の好意により庭は一般にも公開されているが、大きな声を出さないなど、見学の際は配慮してほ しい。
公園の入り口左手に立派な藤棚があり、季節になるとこの藤を目当てに来園する客も多い。同時期に、ボタンは見ごろを迎え、アヤメ、ツツジ、シランも咲き始めるので、庭園ないはとても華やかだ。ゴールデンウィーク中、5月6日(日)は、開園時間が18時まで延長されている(入園は17時30分まで)。
鎌倉の鶴岡八幡宮の春は、桜 や春ぼたんなどが咲いて賑やかだが、白い藤が咲くスポットもある。境内へと続く三の鳥居をくぐり、本殿近くの太鼓橋を渡ると、右手に源氏池がある。白藤の 棚は、源氏池に浮く島に建てられた旗上弁天堂脇にあり、朱塗りの社に白色の花が美しく栄える。多くの参拝者がカメラをむけているので、ぜひ一緒に足を止め てほしい。花の見ごろは5月上旬。
大久野のフジの特徴は、杉の木・あらかしに天然の状態で蔦が絡まり群生していること。樹齢400年を越え、東京都の天然記念物にも指定されている。上記にあげたような整然とした藤棚のイメージとは若干違い、野趣あふれる花が楽しめる。
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