2010年09月20日 (月) 掲載
高尾山がミシュランの3つ星観光地に選ばれてから、年間の登山者数は、260万人を超えた。標高599メートルの低山だが、富士山や世界5大陸の最高峰であるエベレストやマッキンリーを越え、世界一登山客が多い山となった。秋の紅葉シーズンには、さらに人出が増すだろう。都心からのアクセスが良く、大都市近郊に豊かな自然が溢れている点が人気の理由だが、同じ条件の山は、ほかにもたくさんある。まずは、高尾山の“兄貴分”のような山、同じく京王『高尾』駅、JR『高尾』駅が登山の出発点となる、『陣馬山』を紹介したい。出かける際は、靴や雨具などしっかり登山に適した装備をし、必ず地図を持ち、単独登山は避けてほしい。
神奈川県と東京都の都県境にそびえる標高857メートルの山。高尾山の山頂から、西に向かって延びる山道があり、そこから2つの山と4つの峠を越えて辿り着くのが、陣馬山だ。国土交通省の『関東の富士見100景』に選定され、山頂からは、富士山をはじめ、丹沢、大菩薩、奥秩父、南アルプス、日光連山、さらには新宿の高層ビル郡まで、360度のパノラマビューが楽しめる。また、山頂には“白馬の像”がそびえ、記念撮影に人気だ。
アクセスは、京王『高尾』駅、JR『高尾』駅北口にあるバス停1番から、西東京バス『陣馬高原下』行きに乗り、終点で下車。ハイキングコース入り口から登山を初め、山頂までは徒歩で約1時間30分。登山後は、西東京バスで『高尾駅北口』行きに乗り、『夕焼小焼』で降り、『夕やけ 小やけ ふれあいの里』へ。16時30分までは、大人500円、子ども300円で日帰り入浴ができる。タオルは200円で販売してくれる。
問い合わせ:042-620-7378(八王子市観光課)
東京都青梅市にある標高929メートルの山。霊山と崇められ、山頂には、山岳信仰のシンボル、武蔵御嶽神社が鎮座する。宝物殿もあり、日本三大鎧のひとつで国宝の赤糸威大鎧などをはじめ、国の重要文化材などを展示している。また、御岳山は、日本随一の『レンゲショウマ』の群生地だ。7、8月には、5万株が一斉に花を咲かせ、『みたけ山レンゲショウマまつり』には、薄紫色の可憐な花を見に多くの人が訪れる。また、国の天然記念物に指定されている高さ23メートル、幹周り8.2メートルの『神代ケヤキ』や、天狗が腰掛けるのにぴったりな形をした過ぎの大木『天狗の腰掛杉』など、登山途中に自然のつくり出した芸術品を見てまわることができる。
アクセスは、JR青梅線『御嶽』駅で下車。山頂までは徒歩で約1時間かかるが、ケーブルカーを利用することもできる。西東京バス『ゲーブル下』行きの終点で下車し、御岳登山鉄道のケーブルカーに乗る。標高407メートルの場所にある『滝本』駅から、標高831メートルの場所にある『御岳山』駅まで、6分で到着する。さらに、そこからひとり乗りのリフトで大展望台へ。徒歩で登らず、ケーブルカーとリフトを乗り継いだとしても、『展望食堂』で味わうランチは格別だ。御岳山登山鉄道は、7時30分から18時30分まで営業。大人片道570円、往復1090円、子ども片道290円、往復550円。
問い合わせ:0428-24-2481(一般社団法人 青梅市観光協会事務局)
神奈川県伊勢原市にある標高1252メートルの山。『かながわの景勝50』に選定されている山頂からは、天候に恵まれれば、相模平野から三浦、房総半島、東京都心の高層ビル群も眺めることができる。360度の眺望は、さらに丹沢表尾根から富士山、箱根の連山、秩父多摩の山並みが続く。山頂には、第10代崇神天皇の頃(紀元前97年頃)に創建されたと伝えられている『関東総鎮護 大山阿夫利神社』の本社が鎮座する。また700メートルの場所には下社境内があり、その地下から湧き出る御神水が龍の口から噴き出していて、殖産、長命延寿の水として愛飲されている。4月上旬には樹齢400年の大山桜が見事に咲き、11月には大山寺もみじ祭が開催され、紅葉の見頃である中旬から下旬にかけてライトアップされる。
アクセスは、小田急線『伊勢原』駅で下車。北口からバス4番線から、神奈川中央交通バス伊10系統『大山ケーブル』行きに乗り、終点で降りる。山頂まで徒歩だと3時間ほどだが、阿夫利神社下社のある700メートル地点までケーブルカーも運行している。
大山ケーブルカーは、『山麓』駅から、阿夫利神社下社のある『山上』駅まで約6分。さらに山頂までは、そこから徒歩で1時間30分ほどかかる。ケーブルカーは、平日(土曜日を含む)は9時00分から16時30分まで、休日は9時00分から17時00分まで営業している。大人片道450円、往復850円、子ども片道230円、往復430円。
問い合わせ:0463-94-4711(伊勢原市観光協会)
神奈川県西部、秦野市にある1272.5メートルの山。山頂にある『鍋割山荘』の鍋焼きうどんを目指して登る人も少なくない。また、ブナをはじめとする落葉樹が多いため、新緑の春、紅葉の秋と、四季折々の姿を楽しむことができる。
アクセスは、小田急線『渋沢』駅から、神奈川中央交通バス渋沢02系統に乗り、『大倉』で下車。山頂までは徒歩約3時間の道のりだ。まずは、標識に従い、大倉から西山林道を歩き、鍋割山の登山コースの入り口『二俣』へ。途中、落差15メートルの『黒竜の滝』に立ち寄りたい。二俣から登ると、鍋割山の尾根筋に出たところが後沢乗越だが、その途中に落差20メートルの『ミズヒの大滝』がある。水場には、空のペットボトルがたくさんあり、わき水を山頂まで持って行くことができるのだが、登山初心者は、荷物が重くなり、道中が苦しくなるので、その場で喉を潤すだけにしたほうが良い。自分に合った装備で頂上を目指そう。
問い合わせ:0463-82-8833(一般社団法人 秦野市観光協会)
東京都、埼玉県、山梨県の境界にある標高2017メートルの山。日本百名山のひとつで、東京都最高峰だ。山頂からは、富士山や一直線に並ぶ南アルプスの峰々を望むことができる。初心者に日帰りは難しく、『七ツ石小屋』や『雲取小屋』に寄る1泊2日コースがおすすめだが、健脚自慢の人は日帰りで、山梨県側から最短ルートを登るのが良い。
アクセスは、JR『奥多摩』駅から西東京バス『鴨沢西』行きに乗り、『鴨沢』バス停で下車。山頂までは徒歩約4時間30分。山梨県丹波山(たばやま)村にある、鴨沢の登山口から登り始める。しばらく平坦な杉林を歩くと、水場があるので、冷たい山水で喉を潤そう。そこから段々と勾配がきつくなっていき、七ツ石山ルートとブナ坂ルートとの分岐があるが、『七ツ石小屋』や『奥多摩小屋』へ行く人は、七ツ石山方向へ。1歩1歩、頂上を目指そう。登山途中に、サルやシカなど、野生動物たちに出会うこともある。
問い合わせ:0428-83-2152(奥多摩観光協会)、0428-88-0211(丹波山村観光協会)
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