2010年08月16日 (月) 掲載
東京、首都圏を代表する海外への窓口といえば、成田空港だ。年間3500万人が利用する成田空港は、国際線用の空港としては日本最大規模だが、この秋、東京にもうひとつ海外への“空の玄関口”が誕生する。10月21日(木)オープン、31日(日)から国際線が就航する、羽田空港の新国際線旅客ターミナルを一足先に体験した。
空港に着いてまず行うのがチェックインだ。手荷物を預け、搭乗手続きを行う3階は、高い天井、大きなガラスと広々とした空間で、空への旅を予感させてくれる。
出発手続きが済んだのち、空港を利用する多くの人々が“滞在”することになるのが4階だ。ここでは買い物や、見送りの人と別れを惜しむ時間を過ごすことができる。出発フロアから吹き抜けをエスカレーターで上がると、そこには江戸情緒を感じさせる空間が広がっている。
正面突き当たりには、赤い柱が印象的な歌舞伎の舞台が。
ショップやレストランもすべて“江戸小路”の名にもとづき、日本の伝統や文化を感じさせる意匠に統一されている。ガラスとメタリックで構成された建物の外観からは想像できない、落ち着きを感じさせてくれるフロアだ。
さらにその上、5階には“月見台”“富士見台”と名づけられた屋外の展望デッキや、4000万個の星を楽しめるプラネタリウムやカフェバー、日本ならではのアニメキャラクターのショップがある。
こちらは出発前を優雅に過ごしたい人のための有料ラウンジのエントランス。
離着陸を目の前に、軽食を楽しむことができる。
外の光を遮断した空間には、オットマンを備えたソファやマッサージチェア、シャワールームもあり、リラックス、リフレッシュするのに必要な環境が整っている。仕事をするためのビジネスルームがあるのもうれしい。
出国手続きを済ませると、飛行機に近い出発ロビーに移動することになる。こちらには免税店や、11ブランドのショップがある。また、子供連れにはうれしいキッズスペースも備わっている。
いよいよ飛行機に向かうボーディングブリッジ。世界で初めて採用された段差や継ぎ目のないステップレス構造が自慢だ。これから増えてくるであろうオール2階建ての旅客機、エアバスA380にも対応している。
新国際線ターミナルには100を超えるショップやレストランがあり、しかも24時間オープンということで、旅の予定がなくても、つい足を運びたくなるスポットといえる。
羽田と海外を結ぶ便は、10月31日(日)の時点では13都市が予定されている。ニューヨークやロサンゼルス、ハワイなどアメリカの5都市、ソウルや上海、シンガポールといったアジアの7都市、ヨーロッパはパリへの便が就航する。首都圏では初めての24時間運用となり、主に昼間の時間帯は成田でまかないきれないアジア路線を補完、成田空港が運用できない深夜に、アメリカ、ヨーロッパ方面への便が設定される。成田空港にやってくる国際線の10分の1ほどの規模ではあるが、都心へのアクセスが便利という点でも羽田空港の国際化は大きな可能性を感じさせてくれる。
最後に新国際線ターミナルのアクセスについて。
モノレールは出発フロアと同じ高さで、京浜急行電鉄は空港の地下駅で利用することができる。浜松町、品川、それぞれの駅からわずか13分の道のりだ。ターミナルのオープンに合わせてどちらの駅も10月21日(木)に開業、同時にリムジンバスのアクセスもスタートする。
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