東京の極秘スポットを巡る、シークレット東京ツアーレポート

東京の極秘スポットを巡る、シークレット東京ツアーレポート


路地裏の隠れ家バー、知る人ぞ知る老舗カレー店、ビルの谷間に潜む公園—。東京という巨大迷宮都市に住む者なら、誰しも隠れたお気に入りスポットのひとつやふたつ、持ち合わせているものだ。しかし、本物の隠れスポットは、その道の達人なくしては、たどり着くことさえ難しい。

そんなスペシャルな場所を巡る嬉しいツアーが、10月のとある日、開催された。主催は、世界が誇るプレミアムビールブランド、ハイネケン。ハイネケンは今年「Open your City」をスローガンに、今まで知らなかった都市の裏側や面白さの再発見、また新しいことに挑戦することを促す「シティキャンペーン」 を実施している。10月には、東京を含む世界6都市をモチーフにしたシティボトルを発表。これに伴い、タイムアウト東京とともに、都内のシークレットスポットを巡る特別ツアーを企画したのだ。ここでは、先日密かにおこなわれた特別企画、シークレット東京ツアーの全貌を報告したい。

秋雨降りしきる10月の午後、幸運にもツアーに招待された8人の男女が、神宮外苑の銀杏並木に集合していた。もちろんこの時点で、彼らには本日の行き先の何ひとつも明かされていない。不安と期待が入り混じる中、彼らの前に、鮮やかなグリーンのハイネケンタクシー2台が登場した。車内で彼らを迎えるのは、もちろんハイネケンビール。緊張を解きほぐすアイテムとして、これ以上のモノはない。

このタクシーが彼らの道先案内人になる。


1本目のボトルを飲み干す間もなく、車は最初の目的地に到着した。どこだかも分からないビルのエントランスを抜け、エレベーターへと案内される8人。エレベーターは最上階らしき階に到着し、ようやく重たい扉を開けた。その先に現れたのは、空からの景色だ。普段は見上げるばかりの高層ビルを見下ろす、圧倒的な景観に誰もが感嘆の声を上げる。そしてついに、彼らにいま自らが立つ場所の正体が明かされた。そこは、六本木アークヒルズ の屋上ヘリポート。通常はヘリポート利用者に限りアクセスが許される、エグゼクティブ専用の天空のバルコニーだ。ガイドによる丁寧な誘導の下、階下のVIPラウンジへ案内される一行。ハイネケンガールの歓待を受けながら、ボトル片手に写真撮影など、贅沢なひと時を楽しんだ。

雨の屋上へリポート、気分はさながらジェームズ・ボンドだ。


VIPラウンジでくつろぐ8人。


ハイネケンガールによる出迎え。


8人を乗せたハイネケンタクシーは、続き新宿方面へ。車を降りた彼らの前に待ち構えていたのは、どこか中世の城を思わせる、重厚な門。そして、ニコニコと微笑む長髪の男性の姿だった。どうやら、新しい商業施設のあり方を体現するスポット、代々木VILLAGE by kurkku に到着したようだ。

様々な植物が咲き誇る庭園を抜けていく。

この穏やかな空気感の男性は、代々木VILLAGEが誇る広大な庭のプロデューサー、西畠清順だ。植物生産卸業、花宇の5代目であり、世界中の植物を収集するプラントハンターとして知られる彼。その本人自ら、庭に咲く珍しい植物のひとつひとつを解説してくれる。都会のど真ん中で繰り広げられる、とっておきの自然体験に驚嘆していると、いつしか夜も更け始めていた。

プラントハンター、西畠清順。

すばらしい出会いに後ろ髪を引かれつつ、ツアーは早速、第3の目的地へ。なにやら薄暗い地下へと案内され、訳も分からず、持ち物をロッカーへ預ける一行。そう、ここはダイアログインザダーク 。視覚障害者の世界を体感する、暗闇を舞台にした話題のアトラクションだ。当初は、暗闇をガイドを頼りによろめきながら進んでいた8人も、次第に音や周りの人間を頼りに、環境を認識する術を学んだ様子。そしてラストは、暗闇の中で乾杯!正真正銘の闇で飲むビールの美味さは、ぜひ自分の舌で味わってみてほしい。

闇のアトラクションにチェックインする参加者。

暗闇に慣れた目を光に慣らす間もなく、タクシーは再び走り始めた。今度は新宿から高速に乗り、高井戸方面へ向かっている様子だ。8人がこの日5本目(?)か6本目(?)のボトルを煽るうちに、タクシーは環八通り沿いでエンジンを止めた。雨の中、住宅街を歩く全員の頭の中を占拠するものは、空腹、の2文字だ。

一体ここはどこ?

何の変哲もないマンションの1階、扉のひとつを開けると、壁一面のクリスマスのデコレーションが飛び込んで来た。満面の笑みで迎えてくれたのは、知る人ぞ知る伝説の餃子店、蔓餃苑のオーナー、パラダイス山元だ。数々のセレブがお忍びで通う完全予約制、会員制の餃子店を経営する餃子の王様。同時に、グリーンランド国際サンタクロース協会の公認サンタクロース 、入浴剤ソムリエなど、多彩な顔を持つ男だ。

参加者と交流するパラダイス山元(写真右)。


死ぬほど美味いエビ餃子をつつく。

パラダイス山元による、餃子マニア必読の新書。

蔓餃苑の餃子は、大げさではなく、これまでの餃子の概念を覆してくれる。たとえば、タコの足が丸ごと入ったものから、クオーターパウンダー餃子、キーマカレー餃子など。パラダイス山元のクリエイティビティに境界は存在しない。次から次に出される独創的な餃子の数々をたいらげた後、一行はついにこの日最後の目的地へ向かうべく、慣れ親しんだタクシーに乗り込んだ。

先ほどの興奮が覚めやらない8人を乗せ、タクシーは東京の象徴とも呼べる新宿の高層ビル群、渋谷のスクランブル交差点を抜けていく。そしてついに、最後のブレーキを踏んだ先、そこは恵比寿だった。東京の伝説的なクラブのひとつ、リキッドルームは、すでに人々の熱気で沸騰しそうだ。無理もない。その夜のラインナップは、テクノ音楽界のパイオニア、石野卓球をはじめとする超豪華な面々だ。

無事にゴールへ。


この日最後の、「乾杯!」


当初の戸惑いや緊張はどこへやら、すっかり打ち解けた8人は、ここでついに最後の乾杯の瞬間を迎えた。新たな出会いも、大都会で暮らす醍醐味のひとつだ。そうして彼らは最高の笑顔を残し、マグマの中へと消えて行った。 彼らだけが知る、とびきりの秘密を胸に隠して。


※掲載されている情報は公開当時のものです。

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