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5月21日、ダフト・パンクの8年ぶりの新作、『Random Access Memories』がリリースされた。先日5月18日には笹塚ボウルにて、先行リスニング・パーティが開催され、大沢伸一、DJ KOMORI等が出演し、フレンチ・エレクトロの開祖たる仮面デュオの新作発表を盛り上げていたが、蓋をあければジョルジオ・モロダー、ナイル・ロジャースの参加が象徴的なように、彼らの最も重要なルーツたる70年代ディスコ・サウンドをサンプリングするのではなく、丸々オリジナル楽曲として作ったレトロスペクティブなアルバムとなった。(それが故か、二枚組のアナログ盤LPは、発売されるや否や、店頭から姿を消した)
ジョルジオ・モロダーが自身の音楽人生を語る『Giorgio by Moroder』は、彼のヒット作『Chase』へのオマージュが展開する、アルバム中でも人気の楽曲。これにタイミングをあわせて、ジョルジオ・モロダーは表舞台に返り咲きDJ活動を展開、5月27日と28日にはビルボードライブでの来日公演を予定している(最新のインタビューはこちら)。
今作はレーベル移籍後のアルバムということもあり、各国でのプロモーションも力が入っている。日本ではダンディ坂野とラッキー池田が出演して『Get Lucky』というガラパゴスな駄洒落ミュージック・ビデオが登場。
また、玩具メーカーのバンダイからは彼らのアクション・フィギュアが完全受注生産で発売された。
またリリース直前の5月7日には、ダフト・パンクの出世作『One More Time』にボーカル参加したロマンソニーが46歳の若さで急逝するという予期せぬ訃報もあった。ロマンソニーは90年代後半にプリンスを彷彿させるボーカル・スタイルと、ファンクネス溢れるハウス・トラックで『Bring U Up』『Hold On』などのフロアヒットを生み出していた。ダフト・パンクは94年のデビュー当時、イギリスのテクノ/ハウス系レーベルの『SOMA』からリリースをしていたが、97年のマイアミ・ウインター・ミュージック・カンファレンスのため渡米した際に、ロマンソニーや、トッド・エドワーズなど彼らに影響を与えたアメリカ・プロデューサーの米国内での過小評価ぶりに大変驚いたという。今作でもその敬意表明は顕著で、テック・ハウスやクリック・ハウスのルーツを作ったともいえるプロデューサー、ニュージャージーのトッド・エドワーズが参加している。
日本でのダフト・パンク人気の健在さを感じさせる今回のフィーバー。ここまでくれば、(お忍びの覆面行動でもよいので)早々に来日してほしいところだ。
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