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極私的、2010年のまとめ(アルバム編)

2010年のベスト・アルバムとベスト・ライブをそろそろメモしたいと思います。みなさんはもうしましたか?この作業は、音楽好きにとっての大掃除といってもいいでしょう。たとえ家の大掃除をおろそかにしても、こちらはきちんと行わなければいけません。来年がすぐに始まりますからね。では、私が2010年に聴いていたアルバムの中でのベスト5枚を、ここに書いておきます。


2010年ベスト・アルバム
'High Violet' The National
ポップで見た目がきれいなバンドが続いていたブルックリンに、まだこんなバンドがいたんだ!とかなり喜んだアルバムです。ダンディに低めな声で淡々と続くボーカルと、その背景にいくつも聴こえるリズム隊の奥行きが好きですね。ジャケットが白いからか、カナダのだだっ広い雪野原が頭に浮かびます。静かで壮大。まだライブには行ったことがなかったので、来春の公演をものすごく楽しみにしています。アーケイド・ファイヤのリチャード(元タイコとヘルメット、現いろいろ担当)が参加したブルックリン・アカデミーで行われたライブ映像を観ながら、日々妄想が続いています。

'Only Revolutions' Biffy Clyro
イングランド方面から出てくるバンドが緩すぎる、と悶々とする日々に終止符を打ってくれたアルバムです。少し前まではマジック・ナンバーズと変わらない風貌をしていたはずなのに、いつの間にかイケメンに!アーティスティックなジャケットと、ベックのお父さんのストリングスも付けて、オーケストラ風味のハードなロックを見せてくれました。特に『マウンテンズ』は、今年1番聴いた曲だと思います。ライブもよかった!双子のジェームズとベンにインタビューをさせてもらったのですが、2人は遺伝子レベルで同じ声のため、書き起こしが大変だったという秘話もあります。

'Aphrodite' Kylie Minogue
まさか、こんなにアゲアゲでくると思っていなかったので、そろそろ寝るかという時に聴き初めて、まったく寝られなくなってしまったアルバムです。42歳になったカイリーですが、ダンス、ダンス、ダンスであのキュートさ。一度でいいから、「私はゴールデンガールでアフロディーテ」なんて言ってみたいです。他の誰が歌っても許される歌詞ではありませんからね。2011年には、やっと日本でライブです。国内で観るのはすっかり諦めていたので、今からドキドキしています。

'There Is No Enemy' Built to Spill
こちらは日本では知名度“1”くらいなので、苦労しているバンドです。アルバム・リリースごとにメンバーが増えたり、減ったりするアイダホ州ボイジーのインディ・ロックバンド。昔ベン・フォールズ・ファイヴがBTSの『Twin Falls』をカバーしていたので、知っている人もいるかもしれません。とにかく、まったく衰えないフロントマン、ダグの声と泣くギターが少し初期のアルバムを思わせた、この通算7枚目を聴いて、私にとっての“ザ・オルタナ”を継続してもらうことにしてもらいました。

'Battle Studies' John Mayer
一聴目では、ポップスターからサーフ・ミュージシャンに転身したジェイソン・ムラーズの『I'm Yours』と並ぶがっかりアルバムでした。まず、ジョン・メイヤーらしい曲が『Assassin』しかなかったんですね。彼の寂しい心が反映されていたのか、簡素化の時代なのか、シンプルすぎ。だけど、JCBホールを3日間観終わる頃には完全に消化することができ、今年のベスト盤になっていました。またグラミー賞にノミネートされています。どうせ、何個かは取って帰るのです。彼の魅力については、別の機会を設けたいと思います。


番外編
'Word Gets Around''Performance and Cocktails' (Super Deluxe Edition) Stereophonics
出てすぐ廃盤になったステレオフォニックスのスーパー・デラックス・リイシューです。最初の2枚なんて、みんな持っているはずなんですが、特典が素晴らしすぎました。ケリーがEMIへ送ったデモの不採用通知や懐かしい写真、手書きのメモなどが素敵なブックレットになっているんです。今までバラバラになっていたデモ音源やライブ音源をまとめて聴けるのもうれしい限り。スチュアートが亡くなったことだけは再び悲しくなりましたが、この2箱は買ってよかったです。


今年の聴き残し、来年の課題
'Mojo' Tom Petty and The Heartbreakers
'Brothers' The Black Keys
どちらも日本で観ることを諦めているため、購入が先延ばしになっています。聴くと観に行きたくなるからです。どちらも最後に観てから、早4、5年が経ちました。大御所のトム・ペティはいいとして、ブラック・キーズもとうとうグラミー賞にノミネートされました。ダン&パット、やっとだねと本当にうれしかったです。


今年はとても買い忘れが多い年でした。まだリストに入れっぱなしのものがたくさんあります。別にHMV渋谷店が閉店したことが理由ではないはずですけどね。年が終わる前に、買っておかないといけません。
それから本日は、今年タイムアウト東京でさせていただいた音楽インタビューの人気ランキング+編集のオススメを公開しました。知らない人がいても、読んだ後には気になるアーティストになっているかもしれませんよ。ぜひ、一気読みしてみてください。

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