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ダイブに関する正しい知識

あるライブに置かれていた御丁寧な案内板。

確かに危険行為ともされ、時に死者も出るモッシュとダイブだけでなく、縦ノリとジャンピング(?)まで禁止されています。スタンディングのアリーナで、しかもパンクロックのライブで直立不動でいろとでも言うのでしょうか。わかりません。こんな風に勝手に交通標識を、しかも“モドキ”にして使用することがいいことなのかもわかりません。

さて、今日は日本では『ダイブ』と呼ばれ、親しまれているものが本来は『クラウド・サーフィング』であることについて書きます。まず、日本で『ダイブ』は後ろから流れてくるものですが、本当はたいてい前から来るものです。


携帯、しかも高性能な日本製ではなくアメリカ製の携帯で撮った写真で失礼します。Fucked Upのライブの前方にカメラを持って行くなんて、それだけで充分危険行為です。


前方ではモッシュが起こります。決して男性だけではありません。


そのうち、客がステージに上がります。そして客は図々しくも演奏中のドラムがいるステージ最後方まで下がって、助走をつけて、ダイナミックに観客にダイブ。これが正しい『ダイブ』(本来は『ステージ・ダイブ(Stage dive)』)なのです。『Losing Grip』のミュージックビデオで、アヴリルが頭から突っ込む姿を思い出してください。で、その後は客に支えてもらって『クラウド・サーフィング』。だから、人間が前から後ろに流れるのです。

決して全部ではありませんけどね。海外でもステージに登る前にセキュリティにひっぺがされる時がほとんどだし、日本と同じ方法で人の肩に乗ったり、周囲の人に上げてもらったりして、後ろからも『クラウド・サーフィング』は来ます。とりあえず、一番上の写真では『クラウド・サーフィング』は禁止されていないことになります。これは揚げ足です。


私は日本のダイブにモッシュには、別に反対ではありません。むしろ頭上を通った人間の数が、盛り上がり度に比例する時もある。というか、それがほとんど。もちろん小柄な方や女性を踏み台にする光景を目撃した時は、人を選ぼうよと思いますけど。ですので、踏み台にするには迷惑がかからなそうな人を選ぶ、外に出たそうな人を見たら出してあげる、モッシュに入るなら事前にそれなりの覚悟と準備をする、をマナーとして、みなさんで後味良く燃え尽きて欲しいです。

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