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北欧から奏でられる旅の音景色


VESA-MATTI LOIRI 「4+20」

BECKや近年のインディーロックシーンを彷彿とさせるジャケット。
これ、実は40年近く前にフィンランドにて録音された名盤ジャズのリイシュー作品である。
再生すると、カモメの鳴き声や汽笛から始まり、曲間には飛行機の音などを挟むなど、色とりどりな音風景の旅行を一枚で楽しめる作品に仕上がっている。
叙情的なアコギと口笛のイントロに、乾いたフルートとパーカッションが絡み合う「4+20 (Session 1.A)」、波の音を挟んで、フォーキーな四つ打ちセッションが繰り広げられる「Turkish Coffee」、ハイライトは、Herbie Mann等の演奏で知られる、Ben Tucker & Bob Dorough作「Coming Home Baby」のグルーヴィー且つブレイクを挟むフロア仕様なカバーだろう。
レコーディングには、フルート奏者Esa Pethmanや、Five Corners Quintetへの参加で知られる名サックス奏者Eero Koivistoinen、オルガン奏者Tuomo Tanska、ギタリストHasse Walli、ベースはPekka Sarmanto、ドラムにはEsko Rosnellといった、70年代初頭のフィンランドジャズシーン重要人物が揃って参加している。
毎年、『FINLAND FEST』が開催されている様に、日本でもその多様な音楽性が注目を浴びている、フィンランド音楽。そのルーツの一つである、ジャズ、レアグルーヴ、民族大衆音楽、フォークを交えた名盤を、是非チェックしてみて欲しい。

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