銀閣寺

金閣寺の舎利殿(通称、金閣)が、そのきらびやかな名前の通り、金色の御殿なのに対し、銀閣寺の観音殿(銀閣)は、質素な木造の建物だ。といっても、がっかりすることはない。二層構造の銀閣は、つつましやかな佇まいが印象的で、砂利、苔、松、池などによる、類まれな庭園の中にある。意図してそうなったわけではないのかもしれない。銀閣寺は金閣寺と同じく、足利家による建造だが、はたして幕府の窮乏によるのか、時期や、慎み深さのためか、ともあれ銀閣に銀箔が貼られることは、ついぞなかった。銀閣寺は1482年、将軍足利義政の隠居後の山荘として造営が始まり、8年後に義政が逝去すると、禅寺となった。2009年10月現在、有名な銀閣が修復中で見られず、2010年3月に完成予定となっている。が、庭園だけでも足を運ぶ価値あり。