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Beverley Milner
2010年02月25日 (木) 掲載
非常に紛らわしいが、伊万里焼ブランドの発祥の地は港町の伊万里ではない。伊万里焼は有田焼同様、有田で生産されている陶器で、その特徴の多くは有田焼に類似している。昔の伊万里焼は古伊万里といわれ、より西洋に受け入れられるよう改良された点だ。伊万里港は、オランダ東インド会社が貿易を行った港で知られている。彼らが伊万里港から輸出した数ある商品の中でも、有田焼は海外で高い評価を受けた。これを好機と捉え、陶芸家は有田焼を改良した。より外国で好まれやすいスタイルを作り、その港の名前を取って伊万里焼と名付けられた、有田様式をいうものです。畑石眞嗣は、80年以上伊万里鍋島焼を焼き続けている窯元『畑萬陶苑』の代表だ。以下に彼が語る伊万里鍋島焼の魅力を挙げる。
「 有田焼と伊万里鍋島焼は非常に似ていて、両方とも非常に美しい形をし、写実的な絵柄が施されています。また絵付けの多くは焼かれる前に行われます。」
「 伊万里鍋島焼は、自然の美を写実的かつ繊細に表現しているところに特徴があります。」
「 伝統を守るためには、それなりの行動を取らなければなりません。畑萬では伊万里焼の製造工程を見て、より詳しく伊万里鍋島焼を知っていただくため、希望者には窯を一般開放しています。弊社では、実用品と装飾品の両方を取り扱っています。実用品の窯は、伊万里焼陶芸作家を目指す人達の育成の場としても機能し、若手が頑張っています。実用品は毎月2000個から3000個生産されますが、熟練した技術者が作る品は、月に1つか2つです。」
「 進化を続ける必要もあります。弊社では伝統的な材料を使いながらも、今の時代にあったスタイルを作ることを心がけています。以前、香水ボトルを作らせていただきましたが、こういった挑戦を大事にしていかなければいけません。」
「 陶芸は決して楽な仕事ではありません。作品は、出来上がるまでに最多で6回焼かれます。その過程で、当初の大きさより15%ほど縮むのです。焼く前に絵付けをするので、先を読む力は欠かせません。香水ボトルの蓋ほど小さなものを作らなければいけない時も同様です。想像してみてください……。」
佐賀県伊万里市大川内山
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