東京イルミネーション2009

街を彩るおすすめの個性派イルミネーション

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東京イルミネーション2009

恵比寿ガーデンプレイス

ハロウィンが終われば、街は一気に冬のイルミネーションへと衣替えする。クリスマス、年末年始、バレンタインデーと、これから始まる真冬のイベントに、イルミネーションは欠かせないものになっているのだ。冬のイルミネーションの定番といえば、クリスマス・ツリーだ。モミの木に飾りをつけたクリスマス・ツリーのはじまりには諸説あるが、中世のドイツで始まったのではないかと言われている。ドイツでは、一年中緑の葉をつける樹木を“生命や希望の象徴”と考え、冬至の日に家の中に飾る習慣があった。それがさまざまな国に伝えられるうちに、その土地や宗教の習慣によってスタイルを変化させながら、今に至っているというのだ。常緑樹をただ飾っていた頃と比べると、今のクリスマス・ツリーは驚くほどの変わりようではないか。気がつけば電飾が街の木々や建物にも広がり、街全体が光り輝いているのだ。しかも、ここ数年は樹木を傷めにくいLEDの電飾や、グリーン電力の使用などが普及してきている。イルミネーションはこれからも“進化”し続けるに違いない。そう思って街のイルミネーションを見てみると、確かに、各施設がさまざまな工夫をこらしている。ここでは、毎年、少しずつ進化している個性派イルミネーションを紹介する。この中からまた、新たなスタイルが誕生するかもしれない。

2009年の新名所

丸の内仲通り『丸の内イルミネーション2009』

すっかり定着した『丸の内仲通り』のイルミネーション。今年は9月にオープンした複合施設『丸の内ブリックスクエア』が新たに加わり、昨年より賑やかになっている。ブリックスクエアでは1号館広場の樹木にLEDのイルミネーションを施し、館内にもクリスマス・ツリーを設置する。丸の内仲通りのイルミネーションの特徴は、なんと言っても、その色だ。ラグジュアリー感漂う“シャンパンゴールド”で、他では見られないオリジナルだ。クリスマスまでは『Bright Christmas 2009』と題し、約220本の街路樹を約85万球のLEDで彩る。

点灯式:2009年11月12日(木)18時00分頃から19時00分頃まで
会期:2009年11月12日(木)から2010年2月14日(日)まで
時間:17時00分から23時00分まで、12月1日(火)から31日(木)の間は24時00分まで
住所:東京都千代田区丸の内仲通り
ウェブ:www.marunouchi.com/brick/

復活

『表参道H.I.S.イルミネーション ベルシンフォニー』

けやきの木に負担がかかることや、観光客がゴミをポイ捨てする問題などにより、1998年に姿を消した表参道名物のイルミネーションが、11年ぶりに復活する。2006年には、巨大な行灯を設置してライトアップするスタイルで一時復活したが、街路樹を使った以前のイルミネーションと比べて迫力に欠け、不満の声も上がっていた。そこで今年は木への負担が少ないLEDを使い、街路樹を彩るライトアップを復活させる。明治神宮入口から青山通りまで、約1㎞並ぶ約140本のケヤキに、63万個のLEDを点灯させる。テーマは“新芽”。ケヤキの根元にある低木には、風などで音がでる『ベル』を設置して、光と音を楽しめるようにする。老化によりLEDが設置できない木には、その理由やケヤキの生態、CO2の吸収量などを紹介するプレートを設置、環境に配慮するイルミネーションを目指す。

点灯式:11月30日(月)
会期:2009年12月1日(火)から2010年1月10日(日)まで
時間:17時00分から22時00分まで
住所:東京都渋谷区神宮前
主催:商店街振興組合原宿表参道欅会
ウェブ:www.omotesando.or.jp/bellsymphony/

世界最大級

恵比寿ガーデンプレイス『Baccarat ETERNAL LIGHTS -歓びのかたち-』

恵比寿ガーデンプレイスの“シャンデリア”と言えば、高級クリスタルの最高峰と言われている、フランス・バカラ社のクリスタルを使ったシャンデリアだ。その規模は高さ5m、幅3m、クリスタルパーツは総数8472ピース、ライト総数250燈と世界最大級を誇る。意外と知られていないのが、その世界最大級の輝きを守るアルミケースだ。「軽い、弱い」というイメージのあるアルミを使い、この巨大シャンデリアを吊せるのは、このために開発した特殊なアルミパネルが使用されているため。これは建築業界でも初の試みで、注目の建造物なのだ。アルミはリデュース、リユース、リサイクルができる材質なので、2009年のアルミケースも、これまで使用してきた部材を3度も再利用している。電球や電力だけではなく、ライトアップに関わるすべてのものに環境を意識するのが、これからのイルミネーションだと感じさせられる。

会期:2009年11月3日(火・祝)から2010年1月11日(月・祝)まで
時間:『バカラ250燈シャンデリア』12時00分から23時00分まで(12月18日から25日は25時まで)
   『クリスマス・イルミネーション』16時00分から23時00分まで(12月18日から25日は25時まで)
    ※クリスマス・イルミネーションの装飾は12月25日(金)まで
会場:恵比寿ガーデンプレイス センター広場
ウェブ:gardenplace.jp/

都内最大級の生木ツリー

デックス東京ビーチ『台場メモリアルツリー』

樹齢約100年、高さ約20メートル、幅約10メートルのタブノキを利用したイルミネーション。2009年の新しい演出は“エンジェルタイム”。ひとつの電球で多くの色を発色できる、全国でも珍しい『LEDクラスター』という電飾技術を使い、天使の姿をツリーに映し出す。実施は、毎時00分と30分に約3分間。クリスマス・ツリーはデックス東京ビーチの正面にあり、シーサイドデッキから望むと、レインボーブリッジや東京タワーなどのイルミネーションと合わせて見られるので、デートには絶好のスポットだ。

点灯式:2009年11月7日(土)17時00頃から 『岡本真夜スペシャルライブ』も開催
会期:2009年11月7日(土)から12月25日(金)まで
時間:17時00分から24時00分まで
場所:お台場海浜公園(デックス東京ビーチ前)
住所:港区台場1-6-1
ウェブ:www.odaiba-decks.com/?mode=event&page=detail&code=117

120万球のLED

東京ドームシティ『5th ANNIVERSARY 東京ドームシティ ウインターイルミネーション01』

冬のイルミネーションがスタートして5年。それを記念して「UNIVERSE(宇宙)」をテーマに、120万球以上のLEDが東京ドームシティを彩る。この数は都内最大級。5周年記念のオブジェは、地球をイメージした直径12メートルの『ガイア』。ブルーの光を放つ球体は、まさに宇宙そのものだ。またドーム型のオブジェ『光マンダラドーム』や、全長140メートルの光の回廊『ミルキーウェイ』は、下からイルミネーションを見上げる構造。遠くから眺めるイルミネーションとは、違う感覚を味わうことができる。

点灯式:2009年11月11日(水)18時30分から
会期:2009年11月11日(水)から2010年2月14日(日)まで
時間:17時00から翌1時00分まで
場所:東京ドームシティ
ウェブ:www.tokyo-dome.co.jp/

シャンパングラスツリーと花火の競演

昭和記念公園『Winter Vista Illumination』

約6000個以上のシャンパングラスを使ったツリーが登場する、人気のイルミネーション。毎年15万人もの人々が訪れている。グラスから流れ落ちる水は、ライトアップに照らされて幻想的だ。12月19日(土)と24日(金)には、500発の花火が夜空に咲く。シャンパングラスツリーと花火の競演は、都内ではここだけのスペシャルプランだ。

会期:12月5日(土)から25日(金)まで
時間:17時00分から21時00分まで、冬の花火は19日・24日、各日20時00分から
場所:国立昭和記念公園
入園:大人(15歳以上)/400円、小人(小中生)/80円
ウェブ:www.showakinenpark.go.jp/

水上ツリー

六本木ヒルズ『アーテリジェント クリスマス 2009』

六本木ヒルズのイルミネーションは『けやき坂』『66プラザ』『毛利庭園』の3つのエリアで展開する。けやき坂イルミネーションは“雪の並木道”のような印象で、約400mに渡って続く街路樹が、白と青の幻想的な光に染まる。66プラザは、純白のイルミネーションだ。ブルーのライトアップが多い最近では珍しいため、新鮮な気分になる。そして何と言っても美しいのが、六本木ヒルズ内にある日本庭園『毛利庭園』のイルミネーションだ。池の中央にツリーオブジェが登場し、水面に浮いているような錯覚を起こさせる。庭園全体にイルミネーションが散らばり、星くずの中にいるようだ。

けやき坂イルミネーション SNOW & BLUE
会期:2009年11月4日(水)から12月25日(金)まで
時間:17時00分から23時00分まで
場所:港区六本木6丁目 けやき坂通り

66プラザイルミネーション
会期:2009年11月4日(水)から12月25日(金)まで
時間:17時00分から24時00分まで
場所:港区六本木6丁目 66プラザ

毛利庭園イルミネーション
会期:2009年11月上旬から12月25日(金)まで
時間:17時00分から23時00分まで
場所:港区六本木6丁目 毛利庭園
ウェブ:www.roppongihills.com/feature/artelligent_christmas_2009/

参加できるイルミネーション

東京ディズニーシー『ハーバーサイド・クリスマス』

2009年で見納めとなる水上ショーイベント『キャンドルライト・リフレクションズ』。今年はその集大成として、ゲストも明かりを持ち寄れば、ディズニーキャラクターたちと一緒に“光の海”作りに参加できる。このショーはヨーロッパの港町をイメージしたエリア『メディテレーニアンハーバー』で行われる、クリスマス期間限定のイベント。クリスマスソングと共に、ディズニーの仲間たちが乗った船が登場し、周りが段々とライトアップされ、最後にはハーバー中央にある巨大なクリスマスツリーが点灯する。ハーバーは一面、光の海になるので、ゲストも光るグッズを持っていけば、自ずとショーに参加することになるのだ。ディズニーキャラクターとの一体感は、ファンにはたまらない。

会期:2009年11月10日(火)から12月25日(金)まで
時間:1日1回から2回(各回約20分)
場所:メディテレーニアンハーバー
ウェブ:www.tokyodisneyresort.co.jp/tds/

イルミネーションツアー&コンシェルジュ

東京ミッドタウン『MIDTOWN CHRISTMAS 2009』

芝生広場『スターライトガーデン』や、ガレリア館内のクリスマス装飾など、施設内に多くのイルミネーションが点在している東京ミッドタウン。そのため、ここには『イルミネーションツアー』と『イルミネーションコンシェルジュ』という、2つのサービスがある。イルミネーションツアーは、ツアーガイドが10名ほどの参加者を連れ、東京ミッドタウンのイルミネーションの魅力を説明しながら、案内してくれるもの。イルミネーションコンシェルジュは、1日1名に限り、コンシェルジュによるイルミネーションの詳しい説明や、写真撮影サービスなどが受けられるもの。コンシェルジュだけが知っている“情報”に期待し、参加したい。

MIDTOWN CHRISTMAS 2009 -誰かが誰かのサンタクロース-
会期:2009年11月12日(木)から12月25日(金)まで
場所:東京ミッドタウン敷地内
住所:東京都港区赤坂9-7-1

イルミネーションツアー
実施日時:2009年11月20日から12月25日(金)まで
予約受付:11月9日(月)より
定員:1回あたり10名まで
料金:一般1500円、小学生700円(税込み)
   ※1日1回から3回、1回あたりの所用時間は、約1時間

イルミネーションコンシェルジュ
実施日時:2009年12月1日(火)から12月25日(金)まで
実施時間:18時00分から20時00分まで 1日1名
ウェブ:www.tokyo-midtown.com/jp/xmas/2009/index.html#concierge

テキスト 基太村京子
※掲載されている情報は公開当時のものです。

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